あまりにも更新が無く、もうブログは辞められたのかなとお思いの方もいらっしゃるかもしれません!申し訳ありません。 どうしても気軽なFacebookページに色々と投稿をしてしまい、ブログが疎かになりがちですが、気を取り直してこちらでも少しずつ配信していきたいと思います。 さて、久しぶりにお客様からのお声をお届け頂きましたのでご紹介したいと思います。
World Link YOUでは基本的にはディスレクシアのお子さん専門とさせて頂いておりますが、最近では知的水準が非常に高いが故にその他の発達面の課題に理解が得られず辛い思いをしているお子さんや、得意と不得意に大幅な差があることで日本の学校では窮屈な思いをされている所謂2Eのお子さんを持つ保護者様からのご相談も増えてきております。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹 2019年 2 月、ちょうどコロナが日本でも徐々に増え始めた頃です。 日本で高校1年生だった息子が「高校へ行く意味が分からなくなった。詰め込み式の授業を何時間も毎日受けて、課題提出して、良い成績をとる努力をする、の繰り返し。しかも興味のない授業もとらないといけないし、苦手な科目も克服しないといけないし、これって何か意味あるのかな?従順に学校の言う通りにする生徒だけ認められるっておかしいんじゃないかな? 俺の場合、漢字は 1 回書けば覚えられるのに、どうして何回も書いて、何時間も時間を費やして、課題 提出しないといけないのか理由が分からない。 もう高校やめたいな 」と言うようになり 、登校できなくなってしまいました。それから精神科にかかりうつ病と診断をうけました。
しばらく向精神薬を飲みながら自宅で過ごしていましたが、息子に焦りが出始めたため、
私は息子に「人生長いんだから、1年や2年遊んだっていいんだよ。 高校やめたっていいんだよ、いろんな経験をして生きる方が楽しいよ。大検受けて大学へ行ったっていいし、潔く働くという道もある」と 話してみました 。
そうすると息子が「いや、イギリスの学校に興味がある」と言い始めたのです。そこで、
ご自身のお子さんをイギリスで教育させている辻さんを思い出した私は早速連絡をとってみました。さすが行動力のある辻さんです。すぐに息子に会いに来てくださり、息子がどんな学校に興味があるのか、将来どんな職業に就きたいのか、学校でどんなことを学びたいのか、得意は何か、趣味は何か等いろいろ真剣に聞いてくださいました。
そして、現地の高校見学へ行こうとしたと同時に、イギリスでのコロナ感染者が爆発的に増え始め渡航が難しくなってしまいました。そこで辻さんはすぐに各学校と交渉しオンラインでのバーチャル見学ができるよう手配してくださったのです。息子はイギリスの3校とZoomで繋いでもらいオンラインで学校見学をさせていただきました。
その後、息子は各校の試験を受けるために現地へ向かうことができなかったため、辻さんが再度学校側と交渉して、各学校長や留学担当の先生が息子とオンラインでつながり面接してくださることになりました。初めての英語での面接ですから、息子は緊張し1時間前くらいから頭が痛くなってしまい頭痛薬を飲んで面接を受けました。この時、息子は顔面蒼白になっていて、こんなことで本当に本当に留学できるのだろうかと私は心配になってしまいました。
こういった手続きや交渉もすべて辻さんが行ってくださり私は本当に助かりました。母国の学校の手続きでさえも大変なのに、ましてや海外の入学手続きですから辻さんがいなかったら、そう簡単にはいかなかったでしょう。
特に私が感心したのは、辻さんは何度もズームで息子と話し、息子の特徴や得意を徹底的に観察し、息子に合った学校選びを慎重にすすめてくださったところです。更には、辻さんはイギリスのディスレクシアスクールサーチ社と共に、息子の希望に合わせ、得意を最大限に活かせるよう学校選びをすすめていらっしゃいました。息子の希望と学力と特徴や得意を照らし合わせ、何百とある学校の中から3校を選び出されたのですから、まさに教育とは多様であり、その子その子に合った学校があり、いくら一般的に良いと評価されている学校であっても、その子にとってその学校が合っていなければ全く意味をなさないということを深く知りました。
その3校とも受験した息子が最終的に選んだ学校は比較的学力が高い学校でした。イギリスには日本のような偏差値はありません(辻注:様々なランキングはありますが学力のみならずそれぞれの団体がそれぞれの視点で採点しているため結果はバラバラです)から息子は何を基準にどうやって学校を選んでいいか分からず困っていましたが「僕、イギリスで学力が高いと言われる人達と一緒に勉強してみたい」と言っていました。
しかし、私は学力が高い学校というイメージがただ単に勉強ができるだけで、成績だけに価値をおき、その他はあまり認めてもらえないのではないかと心配になっていました。そこで、息子が選んだ学校のホームページをじっくり読んでみました。いろんな子がいて当たり前で人はみんな違うものだということが前提となっており多様性を重んじている学校だということが分かってきました。この学校は成績だけで生徒の価値を決めないことが伺え、私は息子に「ママもこの学校いいと思うよ。行ってみたら」と言うことができたのです。この頃、息子はもう向精神薬を飲まなくてもよくなっていました。
ジョンソン首相が「9月上旬にイギリスの学校を再開させる」と宣言され、しびれを切らしていた息子は喜び勇んで渡英しました。
しかし、学校が始まった初日も2日目も息子はメディカルセンターから「頭が痛くてどうしようもないからメディカルセンターへ来てる」と私にラインしてきました。3日目、息子が「今日は自分の部屋に帰った時、一人で泣いた」とラインしてきました。右も左も分からない中、イギリスの高校生活に慣れることに必死なのですから頭が痛くなっても泣いても仕方ないと思います。ただ、放っておいて息子が前に進めなくなってしまってはいけませんから、私は辻さんに逐一、息子の様子を伝えていました。同時に辻さんも学校側へ息子の様子を詳細に伝えてくださっておりました。
1週間後、今度は息子が寂しそうな表情をした写真をラインで送ってきました。自分の思いを英語でうまく伝えられないもどかしさが募ってきているようでした。それで私は「ママの弟も高校生の時、留学したんだけどね、学校で言いたいことが言えなくて毎晩、辞書をひきながら言いたいことを英語で書いて、それを読んで練習して次の日に学校へ行って英語で伝えていたんだって。みんな、そうやって努力しながら英語を喋れるようになっていくんだと思うよ」とラインビデオで話してやりました。
そうすると息子が「そうなんだ。みんな努力して喋れるようになってるんだね。俺、がんばるよ」と言ったのです。それからは寂しそうな写真を送ってきたり「泣いた」というラインはなくなりました。
この背後でも、やはり辻さんは動いてくださっていました。そのお陰で息子が一人で泣いた次の日には学校の先生がすぐに対応してくれていました。息子から聞いた話ですが、息子の寮の部屋に夜、学校の先生がやってきて、その先生が日本に行った時の写真を見せてくれたり、いろいろ楽しい話をしてくれたそうです。この時(これまでもそうですが)私は辻さんに息子の留学の託して本当に良かったと思いました。また息子が選んだ学校にとてもあたたかいものを感じ、この学校との出会いに感謝の念が堪えません。
1か月経った頃、息子からLGBTの話も出てくるようになり「○○君はゲイなんだって。オープンにしてる」と話すこともあり、息子の学校は本当に多様な生徒がいて当たり前で、人と違うことが恥ずかしいことではなく、むしろ違うということが学びであり、その違いを楽しめるような学校づくりがなされていると感じています。
こうやって紆余曲折を経て、何とかここまでやってきたといった感じであり、決して簡単に留学できたわけではありませんし、今もなお、息子はイギリスでの学校生活を楽に送っているわけではありません。ただ言えることはこのような苦労の連続の中であっても、辻さんと一緒に息子を支えながら、息子のほんの少しの前進であっても辻さんと一緒に喜び合えるということがとても幸せです。
息子の留学生活はまだ始まったばかりですが、これからもそう簡単にはいかないことは十分想像ができます。しかし、辻さんをはじめ多くの先生方に支えられている息子ですから、きっと自身だけでなく、これからの子ども達を支えていける大人に成長していくだろうと思っています。
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